

ラッシュアワーの駅は魚の大群の如く、一心不乱に急ぎ足で歩く人の流れが交錯している。あるときから いつも同じ時間、同じ場所で誰かの唄声が聴こえてくる。おなじみの朝の通勤の風景の中に、いきなり刺さるように、こじあけられるようにさしこまれる、いつもの見慣れた空間から別の空間をのぞき込むような感覚。日常からいきなりどこか別な場所にスライドしてしまうような不安定さ。音楽には どこか別な場所へ誘うことが瞬時にできる、そんな作用があるのかもしれない。そして こんど耳にしたときは、その唄声に惹かれるまま、声のあとをついていく。そこは ここと同じように見える場所かもしれないけど。鏡に映った自分の姿は、わたしではなく別な誰か。
本作品「music from the other side」は 映画にもなったジョーン・リンジー作の小説「Picnic at Hanging Rock」名門女学院の生徒たちが近くのハンギングロックとよばれる岩山にピクニックに行き、4人の生徒と1人の先生が失踪し、その事件をきっかけに学院が少しずつ崩壊していく物語にインスパイアされて作りました。ひとつのきっかけが次の何かに繋がること、物語全体に漂う、不条理な謎めいた雰囲気、そして圧倒的な存在感をもつ奇岩ハンギングロック。失踪事件の少し前から少女たちが耳にしていた「どこか遠くで鳴っている太鼓のような音」まるで予兆のような音がきっかけで 少女たちが 自らの意思で探し、消えていったように感じます。その音は消えてしまった空間からの音なのか?それらを ひとつながりの情景として 観ていただきたいです。 坂田有妃子
【終演しました】2022年9/18(日)19(月・祝)
開演時間 14:00|17:30(全4回公演/開場は開演の30分前)
チケット料金 一般4,000円(税込) 学生3,000円(税込) ※事前予約制
会場 千葉市美術館 さや堂ホール
出演:古茂田梨乃 高橋由佳 平多理恵子 山本晴歌 坂田有妃子
構成・演出:坂田有妃子
照明:岡野昌代
音楽・音響:SKANK/スカンク
衣装:るう(ROCCA WORKS)
宣伝写真:松本和幸
映像配信:粟屋武志
制作:滝沢優子(ウニカ)
当日スタッフ:ソらと晴れ女
協力:レソノサウンド 本田ヨシ子 望月隼人
フライヤーデザイン:[表]舩橋陽 [裏]滝沢優子
主催:UNIca(ウニカ)
後援:千葉市 公益財団法人千葉市文化振興財団
助成:文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業